研究室には椅子が五つあった。
そのうち、ひとつは大きいけど古い椅子、大きくて比較的新しい椅子が二つ、
小さくて新しい椅子が二つある。
このうち、小さい椅子はもうすぐ中くらいの椅子に変える予定だ。
また、古い椅子はそう遠くないうちに部屋からなくなる。
さて、大きくて割りに新しい椅子は、二つのうち一つがなくなったので、今、研究室には椅子が四つしかない。
そこで、新しい椅子をそろえることになった。
問題は、大きい椅子にするか、中くらいのにするか、小さいのにするかだ。
予算の関係もあるが、幸い、現在予算は余っている。
節約して小さい椅子を買うほうがいいかもしれないし、新しくて小さな椅子は機能も優れていることが多い。
ただし、部屋になじむのに時間がかかるのと、新しい椅子がなじむころにはほかの人がその椅子をほしがることがよくある。もうひとつの問題は、部屋には大きい椅子を三つまでしか置けないのだ。
今ある新しい大きい椅子、小さな椅子二つに加えて、新しい椅子をもうひとつ買うと、10年後に椅子を修理して大きい椅子に変えるとき、大きい椅子が四つになってしまう。
そこで、今回は予算もあるし、大きい椅子を買うことが決まった。
その椅子のスタイルがこれまた焦点となった。
今ある椅子に似た椅子にして、統一感を出すか、ぜんぜん違うデザインのものを買って、五つの椅子が選り取りみどりになるようにするか。
結局、売り込みに来て、実物を見てから決めることになった。
なお、国立大学では、知人から勝手に椅子を買うことは許されていない。
昔はそういうこともあったようだが、今はほとんどないらしい。
もっとも、昔からの名家では、今でも老舗のお店からクチコミで買うことになっているらしいがね。
問屋さんにほしい椅子のスペックを伝え、売込みを待つのだ。
そんなほのぼのとしたおとぎ話を、午後の時間に書いてみた。