ステキな空間を作るということにまったく無頓着な人というのはどこにでもいるものだが、僕の場合、自らのオフィスを持ったのが初めてなので、せいぜいお笑いに走ってみた。
1) 僕の部屋はタバコの煙でもくもくしている。先日、ようやく空気清浄機を買った。
2) 机の上には家族の写真が立ててあるといえば聞こえはいいが、中身は振袖姿の宗前ミー(当時22)だ。
3) また、ゲートウェイのスクリーンセーバーも、宗前ミーのしどけない姿だったりする。
4) 机のすぐ左手にはハルバースタムの『覇者の驕り(上)(下)』と、『め組の大吾』がおいてある。
娘を迎えに妻が部屋にきたのだが、来るたびいうのはスクリーンセーバーと机上の写真を何とかしろ、ということだ。
禁煙については保健婦の彼女もさすがにあきらめたようだ。もっともその分、生命保険契約が増やされた。
あ〜あ、退屈だから部屋の中でラジオ体操をしてみようか。
ただ体操をするのはつまらないので、昭和初期のフィルムで国民学校の制服を着た男の子が体操をするように、ロボットのような動きをしてみよう。
そう、12コマ/秒で撮影されたフィルムを18コマ/秒で再生しているあのノリだ。
そうすると、たちまちわき腹(正確には後背筋側部)が痛くなる。
痛いだけならいいのだが、つったりする。
うおおおお、いてえ、いてええよおおお。
叫んでみたりするが、右隣の我部さんは研究室にいないし、左隣の阿部さんが研究室に来るのは夜中になってからだ。
必死の思いで机にたどり着いたら、山盛りの灰皿をこぼしてしまった。
う、で、電話だ。臨港署のレスキュー、千国市局のエース神田消防士長を呼ぼう。
電話にたどり着いたがボタンを押せない。しかたない、リダイヤルでいいや。
「はい、いつもありがとうございます。ベスト電器那覇本店です」
あ、あぐ。
「本日は従業員研修のため臨時休業をいただいております、御用の方はおかけ」
さのばびっち!
そうこうしているうちに、僕のピッチが「ぴ。ぽ。」とヘンな着信音を立てた。
「Pメールガ1ケンアリマス」
すでに収縮の始まった左手に渾身の力をこめて着信記録ボタンを押す。
「ワルイギョウザカッテキテ♪」
宗前ミー、君の頼みは聞けそうにないぜ。なにせ僕はいま研究室で、わき腹がつってるからな。つってなければサンエーで15個入り198円の餃子をふたパックも買って帰ってあげられたのに。
ごめんな、こんなふがいない僕で。幸せだったぜ、君と知り合って。ほら、あれはいつだったかな、二人で長崎に・・・
あ、こういうことを考えている場合じゃないよ。いま、僕のわき腹は猛烈に痛い!!
う、そうだ、左手に画鋲でもさしてみよう。痛みには痛みで制せ!
机の二段目の引出しにあったはずだ。
えーと、これは人事異動発令書か。あ、こ、これは去年買った備品の請求書!どうしよう・・・まだ会計にまわしてないや・・・これは、なんだ?クレジットのお客様控え・・・あ!これはいかん、理由を説明することはできないが、すぐにキャクだ。
画鋲もない・・・もはやこれまでか。
琉大の学生諸君、僕は君たちと出会えて幸せだったよ。
短い付き合いだったけどこれからもみんななか
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ということなんだよ。
別に講義の準備が終わってないんじゃないよ
それは完璧に終わってたんだ
わき腹がつったから今日の講義に出られなかったんだ
まして遅刻したわけじゃないからな