もどっちまえ】【先頭にもどっちまえ

先週は久方ぶりの関西行政学研究会であった。お題は「自民党参院議員の政策形成」で報告者は京大D1の藤村直史氏。阪大時代に待鳥さんが育てたナイスガイである。報告は各所からツッコミ全開で、特に神大コンビの松並さん&建林さんの指摘が厳しかったのであった。僕は議会研究をしていないから、藤村氏の論は充分面白いと思ったが、そんなことはどうでもよい。

第一に藤村さんのペーパーは構成がキッチリ決まっている。時間的に考えればおそらく修士論文の訂正版を公刊前に発表したのだと思うが、修士の二年間でココまできちゃうのかい、今どきのマスターは、と思うと羨望を禁じえない。これは大阪市大の大西さんも帰りの阪急電車の中で同意していたから僕だけの感想ではないだろう。

第二に、学者の世界では大体そうなのだが、激しいツッコミを受ける論文というのはいい論文(になる要素満載)なのである。関行研の常連出席者たちはお互い顔見知りだから、コイツに何を言ってもしょうがない、と思えば適当なコメントをして時間が過ぎるのを待つだろう。中身がボロボロなら突っ込んでもしょうがない。「執筆者」と「論文の中身」がノーマルであって初めてツッコまれるのだ。

ドクターに入ってイキナリこれだけしばかれるのなら、彼らが三年の刑期満了を迎えるころはどれほどのワルになっていることやら。ちなみにMOFではできる人のことを「ワル」ってもう言わないのかな?

さて、話は急にフニャフニャになるのだ。わかってる、わかってるぞおお、諸君!みんながこのサイトに期待しているのが何かは。ええ、宗前ミーですよね。ごめんなさい、宗前ミーと大きい人(小学校一年生)、小さい人(年中組)の三名の女性陣は仙台の実家で義母が亡くなったために来春まで家事手伝いのために別居中なんです。だから彼女たちの「たのしいまいにち」は描写できません。がっかりした?そっか。じゃあ、ほぼ日刊イトイ新聞の「オトナ語」シリーズでも読んできてくれませんか?読み終わったら戻ってきてください。

最近、僕は授業をするときにテーマをもって毎回講義している。あったりまえだろう、このバカ、といわないで頂戴ね。無論、僕が「テーマ」という荘重な単語を使う以上、アブノーマルなものであることは論を俟たない。最近はコスプレをしているのだ。ある日フト、何の意味もなく手持ちで一番上等なスーツにシブめの小紋ネクタイといういでたちで学校に行ってみた。講義に向かう本館から新館をつなぐ渡り廊下で「おお、俺まるで若くて颯爽としたヤングプロフェッサーじゃん!!」という脳内妄想が始まった。もちろん颯爽としてないし、ヤングでもない(去る六月から介護保険料とられるようになりました)のだが、気分は着任したてのヤル気満々教員だ。新棟112教室に入って開口一番、「今日は法学の教員コスプレです」と発言したら妙に受けた。これがいかん。がっ、学生の期待を裏切っちゃだめだ。一度やった以上、コスプレは続くのだ。ミュンヘンオリンピックでテロがあった72年、アベリー・ブランデージ会長も言ったじゃないか。Games Must Go Onと。

となると、次はカーキの厚手素材でできている比較的上等なチノにタッターソール地のボタンダウンシャツ、若干ハデめな色使いのレジメンタルタイを締めて「経営学」だ。その次は1000円均一で売ってそうな化繊の白いシャツの下にランニングを着て、ネクタイを緩めたら「経済学」の完成だ。できれば違うスーツの上と下を着用するのが望ましい。

ところが「政治学」となるとこれが困ったものである。統一的なイメージがありゃしねえ。そこで東風平町のユタのところに行って、日本政治学会のスーツドレッサーたちの霊魂を呼び出してもらった。

「日本政治学会で一番、安いスーツでも上等に着こなすと評判の稲継さん、どうしたら政治学者らしくなれますか?」

「すいません、ちょっと今からすぐに大学改革委員会に出席しなければならないので・・・そのあとは中期目標点検委員会です」 多忙な彼からはアドバイスがもらえなかった。残った時間がもったいないので、ユタに頼んでもう一人呼んでみた。

「日本政治学会で一番、Jプレスのスーツをなで肩に着こなしてしまうと評判の田邉さん、どうしたら政治学者らしいですか」

田邉さんが憑依したユタはゲーム理論の方程式と思しき一連の数式と無差別曲線を描き出し、モニョモニョと何かを言って(もちろん文節ごとに「まぁ」という間投詞は入っているのだ)照れくさそうに消えてしまった。

次だ、次。「日本政治学会で一番、川崎のぼるの描くマンガみたいにスーツをぱっつんぱっつんに(特に大胸筋付近)着こなせると評判の新川さん、どうしたら政治学者らしいですか」

一心不乱に仕事を続ける新川さんは憑依してくれなかった。

うわー時間がねえ・・・じゃ、京大きっての伊達男、真シ■っ・・・・止めておきました。あの着こなしはまだ僕には無理。

仕方がないので大学に帰り、同僚の政治社会学者・波平恒男さんに話を聞くことにしました。波平さんは時間のあるときは「ダニー・デビート」という名前でハリウッド映画に出ていて『ツインズ』とか『勇気あるもの』とかに出演しています。

「おーそうまえ。いいところにきた。これから北谷球場でソフトボールやらんか。メンバーが足りんわけさ」

波平さん!ヤル気満々ですやん!そのパンツとストッキングとスパイク、自前で買うてはるんですかっ?研究室でそのカッコはまずいんと違いますっ?(呉エイジ風のアクセントでお読みください)

「今日は本部事務官チームとの試合だからなあ。負けられんよ」

そうか、何を着ていてもいいのか。結局答えは多元主義の闇の中に消えていったのであった。それにしてもすいません、波平さん、50才過ぎて100km近いライジングボール投げないでくれます?せめて僕をキャッチャーにするときは止めてください。突き指が・・・。