もどっちまえ】【先頭にもどっちまえ

小生は、運転免許を日本で取らず、米國はカリフォルニヤ州で取得しました。30歳秋の事です。

96年に仙台市泉区七北田にある宮城県警運転免許センターにて切り換え試験を受験し、五度目の試験で合格しました。いやいや、マイッタマイッタ。その年から切り換え試験が難しくなったらしく、一発では合格できません。昔は、試験場のコースを直進できれば受かったらしいのですが、その頃は厳しかったです。

どのくらい厳しいかというと、石巻の近くに矢本というところがあって、そこにブルーインパルスをはじめとする航空自衛隊の精鋭とも言うべきニイサンたちがいるのですが、F-15イーグルを乗りこなす彼らも、米國で取った免許の切り換えに三回は落ちるというシロモノです。当人たちに「ええっ、やっぱ切り替えって難しいんですか?」と聞くと「なかなか敵戦闘機のケツをとるようには行きません」とのお言葉です。これをもって、ニッポンの防衛力は大丈夫なのか、といってはいけません。歴戦の勇者たちも怖いものはあります。運転免許、奥さん、生保のオバチャンたちなどです。

さて、免許の更新ですが、誕生日を過ぎていたので「失効」というやつになり、新規免許取得者扱いになりました。なんと二時間の講習です。いや、マトモに更新してても2000年のスピード違反でやっぱり二時間だったんですが。

さて、交通安全協会のおじさんが登場です。イヤー二時間か。この二時間を、「ケッ、くだらねえ、聞いちゃいられねえ」という態度で貫き通すには大変な忍耐が必要です。第一、時間の進み方が遅くて仕方ありません。そこで、やむなくマジメに聞くことにしました。しかし、おじさんたちも悲しい仕事を自覚しているようで、盛りだくさんの内容はいつの間にやら聞いてしまっているのでした。もう、その頃には、後ろの席に座っていた激ミニの今風おねえちゃんの事はすっかり忘れています。

内容は、スピードを出すな(出すと、ほら、こんなに悲惨な事故が!)、とか、シートベルトしようね(しないと、ホラ、こんなに悲惨な事故が!)とか、酔払い運転するのはよそうね(出すと、ほら、罰金は20万円で収監されると約二ヶ月の労働だよ!)といったバリエーションで、人の不幸が実は大好きな人間の特性を見事にわしづかみした講義内容です。当然、実話系に皆の関心は集中しておりまして、新聞切り抜きコピーと安協ならではのマル秘現場写真などは皆の関心、グイグイ引きまくっています。一方、インフォマーシャルばりのわざとらしい実話仕立て系映像はやっぱりダレてしまいます。

とまあ、このように考えていくと、安協の人たちは事故を起こす人たちに感謝しなくちゃいけないのかなあ、などと不謹慎なことを考えていました。そういう交通違反な方々のおかげで、彼らは一般大衆の関心を引くことができるわけで、うむうむ、これぞ一罰百戒、社会防衛の基本だな、なんてことを考えているようでは正しい安全ドライバーへの道は日暮れていまだ遠し、というところです。

しかし、この手の悲惨系映像はエスカレートを生むわけで、あまりにも安協の交通安全講座がおもしろいと、人気が殺到した揚げ句、しかももっとスゴイのを見せてくれ、となりがちです。

話は飛びますが、確か大月隆裕でしたか、数年前からの「悲惨系からの一発逆転ブーム」にくぎをさして、平凡な人生を淡々と送ること「も」大事なんだ、ということが忘れられているのではないか、と指摘していました。鋭いです。この鋭さは、大月が天敵としている宮台先生の「まったりした日常のつづく現代では、デカい一発はもう来ない」という認識にも通じるものがあるわけで、この両者はそんなに隔たったところにはいないのではないか、と考えたことがありました。

ヤクザの姐さんから弁護士になったり、五体不満足でサワヤカに早稲田を出てスポーツキャスターになったり、はたまた聾唖の風俗嬢が国際結婚をした上に離婚してシングルマザーとかですね、最近はウルトラCじゃあダメみたいです。それぞれの人生はそれなりに劇的で、尊いものだと思うけれども、そのカタルシスは長続きしないのではないかと思うのであります。そう、毎日のルーティンを大切にね。

そこで小生は毎週火曜日のゼミ終了後には、琉大中城口にある「でいご」で飲むという習慣を大切にしているわけです。毎度毎度同じメニューを注文して、計ったように久米島の久米仙(ブラウン)を飲んでいるのも、となりのスーパーで必ずキャスター1ソフトパックふた箱を買ってくるのも、決してマンネリじゃないんです!!

と、強引なオチでした。リハビリはまだ続く・・・。